2011年1月5日

【番外編】海福の片隅で

おや??


静まり返った海福雑貨の店内で、

何かが起きているようです・・・!!



もうすぐ売りに出される海福袋。

妖精たちが、見に来ているようです・・・!!



・・・!!

主神です!!

主神自らが、様子を見に来ているようです・・・!


一体なにがあったというのでしょうか・・・

もう少し近くに行って、聞いてみましょう・・・!



「諸君らは、年頭のめでたい行事の一環として皆に先駆けて旅立つことになる。 心して、それぞれの持ち場に福をもたらすように」


なんという有難いお言葉・・・!!





どうやら、福袋に詰められた若い妖精たちを、

残った皆で見送りに来ていたようです・・・!




・・・おや??

なにやら店の奥から泣き声がします・・・!



店の奥へと急ぐ一行・・・

今度は一体何が起きたというのでしょう??



・・・・!!


・・・これは!!


なんと、

あの魑魅魍魎で有名な「緑荳胡同」さんのコーナーに、

半分アクセサリーと化した若い妖精が居るではないですか・・・!!



可愛そうに、震えています・・・!

いったいこの若い妖精に、何があったというのでしょうか!?


「神よ・・・ 私は数ヶ月前に緑荳氏のもとへと旅立ったのですが、
持ち場で精一杯頑張ることも出来ずに、アクセサリーとして
この地へと
戻ってきてしまいました・・・
それに、こんなに目立つところにディスプレイされ・・・
私は、目立つのが苦手なのです・・・!」


おやおや、

人間の目に触れるのを嫌う妖精のこと、これは

仕方ない反応かもしれませんね・・・!


おや??

主神が、なにやら言いたげです・・・!!



「それは違うぞ、若き者よ。お前は試練を与えられたのだ。
 緑荳殿のお前への愛は、計り知れない。
 お前は、その愛を一身に受けた結果
、その姿になったのだ。
 お前を人の手に渡す決断を下した
緑荳殿の苦しみもまた、
 計り知れない。
 お前は、その恥ずかしさに耐え、さらなる旅立ちを待つ定めなのだ。




「・・・・・・!神よ・・・・私は浅はかでした・・・。私には目の前の恥ずかしさしか  見えていませんでした・・・!  目が、覚めました!!」
 


「若き者よ、先はまだまだ長いぞ・・!それにどうだ、その格好。お前は恥ずかしいと言うが、  すばらしくハイセンスではないか・・・!!お前は今や誰もが羨む光り輝く戦士となっている  ではないか・・・」

おや??

どうやら良い方向で、一件落着なようです・・・!!

さすが、主神。

妖精たちのモチベーション管理にも余念がありません・・・!


「さあ皆の者よ、定位置に戻ろうではないか。
 ・・・じき、使節団や偵察隊も無事戻るであろう・・・





こうして、

今夜も海福雑貨の夜は更けていくのでした・・・

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