おや?
オダサガ文化祭も差し迫る
海福雑貨の店内で、何かが起きているようです・・・!!
二匹の若い海福族が、
何やら落ち着かない様子で佇んでいます・・・!!
一体どうしたというのでしょうか?
近くに行って、聴いてみましょう・・・!
「神は何故、私達をここへ呼び出されたのでしょうか・・・」
「何故でしょう・・・私たちは善良な海福族ですし、何も怒られるような事は
していませんから・・もしかすると、重鎮への昇格ではないでしょうか!?」
・・・!
この青年達、どうやら主神に呼び出されたようです・・・
一体、この2匹にはどんな使命が与えられるというのでしょうか・・・
気になる所です・・!
「重鎮かあ・・・いい響きですね・・・」
「でも私達が重鎮になるには、余りにも経験不足ではないでしょうか!?」
海福族の青年であれば誰もが憧れる「重鎮」への昇格・・
まさか、この2匹は
若くしてその夢を叶えると言うのでしょうか・・・!?
「そうだ、経験不足も甚だしいぞ・・・若者よ。」
・・・!!この声は!
・・この影は!!
「か、神よーーーーーーーーーっ!!!」
・・・!
なんということでしょう!!
全てを見抜くかのような主神の登場です・・・
何処で聞き耳を立てられているか、
わかったものではありません・・・!!
さすが、神と呼ばれるだけの事はあります・・・!
「お前達を呼んだのは重鎮にする為などではない。
お前達には更なる精進が必要なのだ。海福族の精神を忘れたか?」
時に優しく、時に厳しい・・・
海福雑貨内500体の海福族を率いる主神は、
今日も威厳に満ちあふれています・・・!!
「わ、我々は・・・!
神よ、お許しください・・・!!」
「かくなる上は・・・」
「・・・いや、冗談だ。お前達を呼んだのには、訳がある。
お前達のその真摯な姿勢を見込んで、1つ頼みがあるのだ・・・。」
「か、神よ・・・」
・・・!
冗談!冗談です!!
なんという遊び心・・・!
若い海福族が絶句してしまうのも、
無理がありません・・!
それにしても、
頼みとは一体何なのでしょうか・・・!?
「先日KANNA帝国領内で捉えられた
小さき者どもの事なのだが・・・」
・・・先日起きた、
痛ましい事件についての召喚だったようです・・
その後、どうなったのでしょうか!?
「神よ・・・!
ついに、全軍出陣なのですね!?」
「それが、適わなくなったのだ・・・
我々は、次なる品評会であるところのオダサガ文化祭に
集中しなければならない。重鎮とも協議したが、時期的に
全軍はオダサガ文化祭に向かわせる事とした・・重鎮、説明を頼む。」
・・・!
なんという切り替え方・・・!
全軍をKANNA帝国に派遣して小さき者たちを
救出するという目標は、どうしたのでしょうか・・・!?
「神よ・・・!
小さき者たちを、お見捨てになられると・・・!??」
「落ち着け、若者よ。神に対して無礼だぞ。」
おや?
いつの間にか、重鎮が後ろに来ています・・・!
若者たちの憧れの的、重鎮は今日も落ち着いています・・・!
「・・!重鎮よ・・・!
これは、どういうことなのですか!?」
「若者よ。神は重大な決断を下したのだ。
全軍を仕向けたところで、相手はKANNA帝国だ。
海福族の強者どもと言えども、野獣や昆虫の大群には
とても太刀打ち出来ないのだ。」
・・・!
衝撃的な事実です・・!
海福族の全軍の力を持ってしても、
KANNA帝国軍には太刀打ち出来ない・・
しかし、冷静に考えてみれば無理もありません・・・
KANNA帝国の逆鱗に触れ、海福族が更なる奥地へ
追いやられてしまっては元も子もありません・・・!
「・・!ですが、重鎮よ・・・!」