おや?
年の瀬も近い海福雑貨の店内で、
何かが起きているようです・・・!!
こ、
これは・・
定期的に開催されるという噂の・・
海福族の全体集会ではないでしょうか・・・!?
続々と海福族たちが会場入りしています・・・!
半年に一度の大事な会議だからか、
こころなしか緊迫した表情の面々です・・・!
おや?
これで全員なのでしょうか・・・?
近頃耳にする海福族の個体数減少は、
どうやら本当だったようです・・・!
さあ、もっと近くに寄ってみましょう・・・!!
「諸君、よく集ってくれた。感謝しよう。」
なんという威厳のある言葉・・
主神が沈黙を破り、集まった族達に話し始めました・・・!
「皆の中には気付いている者も居るかと思うが、
・・・我々は、今週末の「おさんぽまるしえ」なる
品評会に出席出来ないかもしれないのだ・・・。」
・・・なんということでしょう!!
会場が、一瞬にして族たちのドヨメキに包まれます・・・
近頃イベントへの進出を続け、順調に
勢力を拡大しつつあった海福族。
一体、何が起きたというのでしょうか・・・?
「神よ!これはどういうことなのですか!?
我々は一体どうすればいいのですか・・・!?」
「私も、次の品評会こそは私がお守りすべき人と
出会う時と定め、精進してきたのです・・・!」
・・無理もありません。
若手の海福族たちは、イベントをとても
楽しみにしていたのですから・・・。
可哀想な海福族。
「原因は、恐れ多くも我々を管理する、ここの店主なのだ。
店主めは、おこがましくも「少なくなった海福族の保護」を名目に
我々を出さぬつもりだという・・・」
「そんな!我々は貰われてゆくのが本望!保護など要りません!」
「そうです神よ!奴は自分の絵よりも我々の方が人気なのが
妬ましいに違いありません!保護なんて嘘だ!」
可愛そうな族たち・・・
善かれと思ってした事が、
他人にとっては迷惑だったりするのは良くある事。
私たちも気をつけなければいけませんね・・・!!
本当に、彼らは【おさんぽマルシェ】に
連れて行ってもらえないのでしょうか・・・
おや?
なにやら神が、不敵な笑みを浮かべています・・・!
「待て皆の者。私には策がある。」
・・・!!
海福族たちの不安と期待の混ざった視線が、
一斉に主神に注がれます・・・!!
「これを使うのだ。これは、最近店主めが必ず
品評会に持っていく小道具である。店主めは品評会の
前夜、準備を終え、荷物をまとめて帰るであろう。」
「神よ、まさか・・・!!」
「そのまさかだ、若者とちんぱんよ。店主めが帰ったら、
朝までに全員でこれの中に忍び込むのだ。
愚かな店主めは、気付かずに我々を会場へと
導くであろう・・・あとは、頃合を見計らって
展示場に並ぶのだ・・・!」
「ちなみに蓋の開け閉めは、このサイめが担うであろう。」
あとは皆で詰まるのみ!ということですね・・・!!
・・・なんという華麗な策略!
まさに「神」と呼ばれるに相応しい作戦です・・・!
「・・・神よ!なんだか希望が見えてきました!」
「私もです!皆で団結すれば、きっと・・・!」
つい先ほどまで緊迫した空気に包まれていた会場も、
なんだか和やかな雰囲気になってきました・・・!
そして、とても興味深い展開になってきました・・・!!
さあ、心の中で皆を応援しつつ、
我々はこの辺りでおいとまするとしましょう・・・!
来る12月4日(日)、果たして
「おさんぽマルシェ」に海福族は登場するのか・・・!?
その答えは、当日会場にて、
出ていることでしょう・・・
今夜もまた、静かに
海福雑貨の夜は更けていくのでした・・・
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